瀬戸口の日記より―
四月十二日、俺たちは杖立戦区に展開していた。山間にある平地に三機の士魂号が
進軍してくる敵を迎撃すべく待ち構えている。
その光景はさながら無限の死に立ち向かう侍。その大きさは覚悟の大きさ、その姿を見ていると俺は思い出す。気も遠くなるほど昔にいた小さく、大きな稀代の詐欺師のことを・・・
シオネ・アラダ―
俺はいまだにその嘘を信じている。
あなたの姿を求め、俺はこの世を彷徨い続ける亡霊になった・・・
でも、いつの時代にもあなたはいない。俺はどれだけの時を過ごしたんだろうか?
神様、もういいじゃないか。俺はシオネに会いたい・・・!
もう、愛する人と離れるのは嫌なんだ。
アレはいつの頃だったろう?そうだ、確か沖田や土方さん達といたときだったかな?
そうだ、新撰組にいたときだ。
俺が唯一シオネ以外の人を愛したとき。あの時代の俺は新撰組の隊士として生きていた。
本編に続く